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芸能人の確定申告やインボイス登録について

芸能界という世界で活動を始めた娘。

確定申告の時期になり芸能人の確定申告についてさまざまな疑問が湧いてきたので備忘録も兼ねて調べたことを今回の記事にしてみました。

芸能事務所との契約の種類

芸能事務所との契約は以下の3つの契約が主だったものです。

雇用契約

芸能事務所と雇用契約を結び所属する場合は、一般のサラリーマンと同じように毎月決まった額の給料が入る給与所得となります。

雇用主の命令に従って雇用された側が業務を提供します。

専属契約(マネージメント契約ともいう)

芸能界ではこれが最も一般的な契約方法のようです。

芸能事務所がその芸能人の売り込みやマネージメント業務の一切を行うため、芸能人は自分の仕事のみに集中することができます。

毎月決まった額の専属料(月額報酬)が芸能事務所から入りますがこれは給与ではなくあくまで報酬なのでこの所得は事業所得となります。源泉徴収込みで消費税が別途に付される場合が多いかと思います。この場合芸能人は個人事業主となる事が多いかと思います。

また、専属契約の場合によくあるケースは固定の月額報酬の他に歩合制の報酬も契約に含まれることが多いそうです。例えば、CDなどのパッケージ商品や配信での販売額に対しパーセンテージで報酬が入ります。

業務委託契約

業務委託契約は当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずるものです。

通常報酬は月額ではなく一つの仕事に対して支払われ、芸能人は自分で売り込みやスケジュール管理など、芸能の仕事以外の業務も自分でこなさなければいけません。

この場合は芸能人は個人事業主もしくは法人となり、その所得は事業所得となります。

芸能人の所得の種類と確定申告

給与所得:給与所得で年末調整もされているのあれば通常確定申告は必要ありません。

事業所得:芸能人で最も多いのが事業所得だと思います。この場合は売上や経費の申請を確定申告で行い、算出された額の所得税や消費税の支払をします。

雑所得:ケースによってはその所得が雑所得となる場合があります。
 

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます(業務に係るものは雑所得になります)。

出典:国税庁

芸能人とインボイス制度

これに関してはインボイス制度が始まる直前、年間の売上が1000万円以下の声優さん達がテレビで訴えていたのを覚えています。

インボイス制度とは

  • <売手側>
     売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります。
    <買手側>
     買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存等が必要となります。
     なお、2割特例や簡易課税制度を適用する場合、消費税の計算に当たっては、インボイスの入手や保存は必要ありません。ただし、所得税等の観点からは、これまでどおり保存が必要です。
  • 参考:

    インボイス制度の概要|国税庁

つまり、インボイス制度は取引相手(売手)が適格請求書発行事業者の登録をしていない場合、買手がその売手から仕入れをしても消費税の仕入控除が認められないという制度です。*1

前述した声優さんを例に買手側(プロダクション会社)からみると:
声優さんを起用したいプロダクション会社は声優さんが適格請求書発行事業者の登録をしていなかった場合、その声優さんに支払う報酬に付されている消費税額を仕入控除として控除できないことになります。
 
もしも声優さんが年収1000万円以下だった場合:
年間売上が1000万円以下の事業者は消費税の免税事業者になる選択ができるので、事業報酬で受け取った消費税は国に納めずにそのまま自分の収入する事が可能です。
しかし、適格請求書発行事業者の登録をすると課税事業者になってしまうので今までもらっていた消費税分の10%の収入分を国に納めなくてはならなくなります。
 
  • 芸能関係の仕事をしている事業者さんに限らず、年間の売り上げが1000円以下の事業者さんが課税事業者になりたくないのはもちろんのこと。
  • しかし、適格請求書発行事業者の登録をしないと今まで取引をしていた買手側の業者さんから取引を断られる可能性が大きくなる。

ここが年間の売り上げが1000円以下の事業者さんの大きなジレンマとして話題になっていました。

消費税課税事業者

消費税の課税事業者についても少し調べてみました。

消費税課税事業者には売上や報酬に伴い預かった消費税から経費で支払った消費税を差し引いた残りの預り消費税を納税する本則の計算方法の他に、売上が5000万円以下の事業者が選ぶ事ができる簡易課税という消費税の納税額の計算方法があります。

簡易課税

簡易課税を簡単に説明すると、事業区分が6つあり、各事業ごとにみなし仕入れの%が決まっています。納税する消費税額の計算方法は、売上にみなし仕入の%を掛けて仕入額を算出し、そこから消費税の納税額を計算します。

年収5000万円以下の芸能人には簡易課税を選択している方も多くいらっしゃいます。

芸能関係のお仕事をされている方の多くは第5種事業となるようです。

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簡易課税制度の事業区分の表

事業区分 みなし仕入率 該当する事業
第1種事業 90% 卸売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業)をいいます。
第2種事業 80% 小売業(他の者から購入した商品をその性質、形状を変更しないで販売する事業で第1種事業以外のもの)、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業)をいいます。
第3種事業 70% 農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業(製造小売業を含みます。)、電気業、ガス業、熱供給業および水道業をいい、第1種事業、第2種事業に該当するものおよび加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除きます。
第4種事業 60% 第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業をいい、具体的には、飲食店業などです。
なお、第3種事業から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業も第4種事業となります。
第5種事業 50% 運輸通信業、金融・保険業 、サービス業(飲食店業に該当する事業を除きます。)をいい、第1種事業から第3種事業までの事業に該当する事業を除きます。
第6種事業 40% 不動産業

出典:No.6509 簡易課税制度の事業区分|国税庁

芸能人の経費になるものならないもの、確定申告は白色申告か青色申告かなど疑問は次々と湧いてきます。

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*1:ただし今後何年かは特例があります