往復10時間の運転で日帰り旅行は流石にキツかった。それでも、全く後悔はなく、ここに来れて本当に良かったと思えた戸隠神社。かなりのパワースポットであったことは間違いない。
遅くても朝8時には家を出ようと計画していたにもかかわらず予定出発時刻が大幅におくれたため、戸隠神社に到着したのは15時。
「え、今日って日帰りだよね?」と心に一抹の不安がよぎりましたが、なぜか戸隠に呼ばれている気がして、絶対に今日行きたいとの硬い意志で運転を続行します。
長い道のりの最中五社巡りについて調べたところ、約3時間の行程ということに気づいた私たち。閉所時間が17時とGoogleマップに記載があったため、到着予定時間が15時だった私たちに残された時間は2時間。
これでは全部回れない。
お勧めされている巡り順とは逆の奥社と九頭竜社から参拝することにして、残りは時間が許される限り参拝しようと決め、奥社駐車場をナビの目的地に設定します。
15時少し過ぎに奥社駐車場に到着した私たちが目撃したのは、「奥社と九頭竜社は閉殿期間中」と書かれた看板。HPで4月中旬までは閉殿期間のお知らせを見て知ってはいたものの、もしかしたらと一路の望みをかけていた私たちの希望が見事に打ち砕かれた。
それでも随神門の少し先までは行けるとのことだったので、進むことにします。
随神門

大鳥居の先に進み杉並木を歩く。もうここで大感激です、夕方に到着し、まだ奥社が開いていないだけあって人も少なく、日が落ちてくるのも相まってこのスタート時点ですでに神がかった雰囲気です。まだ周りに雪がある杉並木は空気もひんやりしていてとても神聖な香り。
さらに進み随神門が見えた瞬間はジブリの世界に舞い込んだかのようです。それくらい神秘的な場所。
紅色の門と茅葺屋根。茅葺き屋根にはシダ植物や苔の緑が光っている。まるで映画のセットのよう。これが自然の芸術作品なのです。
5時間運転してやっと辿り着いたというのに、同行者は「明日もまた来たい!」と言うほど感激しています。

随神門を通りしばらく進むとやはり進入禁止の看板が。本日の奥社はここまで。それでもここに来れて良かったと充足感満点です。
駐車場に戻り、つぎは中社を目指します。中社の駐車場には数分の運転で到着します。
中社

戸隠神社五社は煌びやかな神社ではなく、どこも厳かな佇まいをしています。中社には少し奥に小さな滝があり雪解け水が勢いよく流れていました。
おみくじ
中社はまだ開いていておみくじやお守りも販売していたので、おみくじを引くことに。
ここでまた驚きが。ここ中社のおみくじは自分でカラカラ振っておみくじを出したり、手を入れて一枚引いたりするのではありません。
自分の年齢(数え年)を伝えます。すると神職が祝詞(のりと)をあげ参拝者の年齢と男女の別を戸隠の大神様に告げ、そこから引かれたおみくじが手渡されるのです。
おみくじの入った封筒には「此のおみくじはお持ち帰りの上一年間の指標にして下さい。」と書かれています。
ここのおみくじは本当に当たりそうで、一年間いつでも見返せるように仕事場の壁に貼ることにしました。また指標にして下さいとある通り、ある意味「教え」のような文脈になっています。日々見返して肝に銘じています。
火之御子社(ひのみこしゃ)

階段を登ると現れる小さな佇まいの火之御子社。参拝時に人が誰もおらずまた閉門されていて本殿の扉は閉められていました。
しかし扉にお賽銭を入れるための穴が空いていたので、お賽銭を入れ参拝させていただきました。御神殿が気になり穴から覗くと、身体中がザワザワとします。身の毛がよだつとはまさにこのこと。
とても質素な御神殿で真ん中に囲うように畳が敷かれているだけなのですが、そこに神様がいるような気がしてなりません。見た瞬間から火之御子社を離れるまでずっと心と身体がザワザワしっぱなしでした。
宝光社(ほうこうしゃ)

夕方になり灯籠に火が灯された宝光社もまたしたから眺めると、声を失うほど神聖な雰囲気が漂う場所でした。

階段を上り、振り返るとそこには雄大な連山が現れます。まさにパワースッポットです。

山神のパワーを感じながら、誰もいない戸隠の杉並木を散策する。
美しい夕陽も相まって多幸感マックスです。この勢いのまま帰りの5時間ドライブも全く苦に感じることなく無事に家路につきました。
戸隠を訪れる際は人の少ない早朝もしくは陽が沈む夕方頃がお勧めです。
是非とも、この日本の歴史ある、自然美あふれる戸隠神社を訪れて下さい。
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戸隠神社の歴史
長野県長野市に位置する戸隠神社は、創建二千年を超えるとされる日本屈指の古社で、神話と自然信仰が融合する特別な聖地です。戸隠という地名の由来は、日本神話に登場する「天岩戸(あまのいわと)」の伝説にあります。太陽神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に隠れてしまった際、世界は闇に包まれました。八百万の神々が集い、どうにかして岩戸を開けようと協力し、その中心となったのが天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)です。彼が岩戸を力強く開いたことで、光が再び戻り、世界が蘇ったとされています。
この神話の舞台となった岩戸が、神々の手によって現在の戸隠山に投げ飛ばされて落ちたとされ、それが「戸が隠された山=戸隠山」という名前の由来となっています。この神話に基づき、戸隠神社は神々を祀る五社、すなわち奥社(おくしゃ)、中社(ちゅうしゃ)、宝光社(ほうこうしゃ)、火之御子社(ひのみこしゃ)、九頭龍社(くずりゅうしゃ)によって構成され、神話のエネルギーが今も脈々と息づいています。
奥社には天手力雄命が祀られ、険しい杉並木を抜けてたどり着くその場所は、まさに神聖そのもの。中社には天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)、宝光社には天表春命(あめのうわはるのみこと)が祀られ、知恵・学問・技芸の神としても広く信仰されています。火之御子社は、天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀り、舞や芸能の神としての信仰が深く、九頭龍社は水の神・龍神信仰と結びつき、縁結びや雨乞いの信仰でも知られています。
中世以降、戸隠神社は修験道の聖地としても発展し、多くの山伏や修行者がこの地を訪れました。険しい山々と深い森に囲まれた環境は、精神修養と自然との一体化を目指す修行の場として最適であり、戸隠の霊気は現代に至るまで多くの参拝者を魅了し続けています。
現在では、「戸隠五社めぐり」として五つの社をめぐる参拝コースが人気で、パワースポットとしても多くの人々に親しまれています。特に奥社へ続く参道の杉並木は、樹齢400年を超える巨木が立ち並ぶ圧巻の光景で、歩くだけで心が浄化されるような神秘的な空間が広がっています。
神話の記憶と深い自然に抱かれた戸隠神社は、まさに“神々が降り立つ場所”。歴史と信仰、自然の力が調和したこの地は、訪れる人に深い癒しとインスピレーションをもたらす、日本の聖地の一つです。



